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NO DESTINATION
NARITA ART RUNWAY 2025
2025.10
歩み続けるキャリーケース。円形のキャンバスの上を、あてもなく旅するように軌跡を残してゆく。 そこに現れる青い模様は、心許ない気配を帯びながらも、静かに広がっていく。生きるために必要な最小限を詰め込み、漂うように動き続けるこの容器は、小さな私の投影だ。
ボードリヤールは、旅を「消失点(vanishing point)へと向かうもの」と語った。決して辿り着けないその先には、触れることのできない中心がある。どこへ向かうのかも、なぜ進むのかも重要ではない。ただ繰り返される軌跡は、現代を生きる私たちの未完のリアルを静かに映し出している。



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